はたけに植わる舟

無駄を模索している

死のデッキ破壊ウイルスはやばい

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これですけど

見た目からしてあたまが悪い。やばそうな背景に浮かぶチクチクのマリモに死って書いてる

遊戯王というカードゲームの罠カードだとかはどうでもよくて、ただ ”死のデッキ破壊ウイルス” という語だけをとらえてみてほしい

 

死のデッキ破壊ウイルス

 

そう、死のデッキ破壊ウイルス。やばない? まともな単語が「デッキ」しかない

この名前をパッときいたとき、ほとんどの人は一連の言葉をかみくだけなくて「なにいってるんだ?」って思うと思う。実際、これを書きだすまで私は文構成を「死のデッキ+破壊ウイルス」だと思ってた。でもたぶん、「デッキ破壊ウイルス・オブ死」なんだよね

で、じゃあ私がこのカードの伝えたいニュアンスを誤解してたかっていうとそうじゃない

言葉って一般的には伝達の手段、いわば記号なわけじゃないですか(いまから急にわからないことを言いだします)

「〇△;%◇&?&」っていうナマの感情があったとしたら、われわれはなるべくそれに近い意味記号の連続でもって伝えようとする。たとえば「まるさんかくせみころん…」という感じで

〇を〇のまま伝えることはできなくて、「まる」というしかない。「セミコロン」を知らなければ「点のしたになんかオタマジャクシみたいなのついてるやつ」というしかない。語彙や表現力がひくい人ほど「〇△;%◇&?&」を口にだしたいときの情報量がへったり情報そのものが変わったりする。誤解を生まないためにも国語教育って実は大事だったりするのかなとか思うけど関係ないからおいとこう

実際には近い記号をただ並べるだけじゃダメで、ほとんどの文はコモンセンスの秩序のもとに整列されてる。IT関係のことなんも知らないけど、それっぽい言葉を使えば要は言葉で伝えようとした時点で”エンコード”されてる

「死のデッキ破壊ウイルス」ってのはその脈絡がない。ほぼエンコードされてない。短文だからっていうのは結果論(?)で、その理由は感情がシンプルだから。ちなみに「ゴブリン突撃部隊」ってカードがあるけど、これは単語の羅列に見えてしっかり秩序にしたがってる。部隊の前にその属性を表す突撃があって、はじめにゴブリンと主体をはっきりさせてる。これはわかる

ほな「死のデッキ破壊ウイルス」をエンコードしたらどうなるんだっていうと、たぶん「デッキ感染-DEATHウイルス-」みたいな感じになるかと思う。ようは単語間のつながりが意味伝達において重要なんですねえ~

エンコードされてないのになんで私を含め多くの人がニュアンスを誤解しないかというと、さっきもちょろっと言ったように感情がシンプルだから

「死のデッキ破壊ウイルス」を考えた人は、あ今からちょっと失礼なこといいますが、「このカードはめちゃくちゃやるやべーやつ」くらいの感情しかなかったと思う。はじめからウイルスを念頭に置いたやばさを想定していれば、こんなとってつけたようなウイルスにはならなかった。チクチクのマリモに死という絵は、ごくシンプルな「やべー」という感情をくみとった結果ともいえるね

感情がシンプルだったから作者はその伝達に「やべーもんを並べる」という手段をとった。死・破壊・ウイルス。なにを? デッキ。じゃあ「死のデッキ破壊ウイルス」。これってなにかっていうと、文章というより絵だ。〇を伝えたいからひたすら言葉を円形にならべているかのような感覚。こいつは〇を〇として伝えようとしている

そしてそれは完全に成功している。冷静に考えて「死のデッキ破壊ウイルス」ってなんだよ。でも、言いたいことはなんかわかっちゃう。意味記号を超越した完全なコミュニケーション

だから、「死のデッキ破壊ウイルス」はやばい

その語感のよさにふとしたとき急に思いだしちゃう

でもね、コミュニケーションってのは一方的に伝えただけじゃ本当の意味で完全じゃないんだよね

だから私は「死のデッキ破壊ウイルス」へのアンサーを書かなくちゃと思った。死のデッキ破壊ウイルスからしっかりナマの感情を受け取った人間はここにいるよと

 

応答があってはじめて「死のデッキ破壊ウイルス」は完成する

 

これはそういうやつなんですねえ~

 

 

おわり