はたけに植わる舟

無駄を模索している

肛門科にいってきた話

医者にケツ穴を開かれたのはついさっきの出来事だ。別に面白くはないけれど、せっかく活きの良い肛門科体験だからとりあえず聞いてみてほしい。「痔はヒトが二足歩行である限り誰にでも起こりうる病。」これはさっき先生が言っていたことを私がそれっぽく知ったような口で言い換えてみただけだ。たぶん事実だろうから、ここで肛門に関する知識を深めておいても損はないはず。

まず、私自身の痔主としてのスペックを記しておこう。(信じられないことに界隈では痔ホルダーたちのことを痔主と称する)

痔主としての自覚が芽生えたのは、4年前、大学受験の頃合いだったから、少なくともかれこれ4,5年の付き合いとなる。まだケツの青い若輩者だが、私にとっては旧知の仲といってもいい。もっとも、父や兄も同様に痔には苦しめられたようだから、生来より、いや先祖代々ケツに脆弱性を抱えたケツ族なのかもしれない。

しかし、今回私が肛門科にかかることになった理由はその呪われたケツが全くの原因というわけではない。たしかに慢性的な内痔核を抱えてはいたが、現在私が保有している筆頭痔核はケツの外にできた血栓、つまり外痔核である。

肛門科の先生いわく、肛門を囲む円周には毛細血管が密集しておりそこにストレスがかかると血管がつまって腫れてしまうとのことだ。私の場合は先週にひっかけてしまった風邪が災いし(これは私の予想だが咳による加圧が良くなかった)、本来私のお株ではない外痔核となってケツにあらわれてしまったのだ。

すでに災いの芽が見えていたにもかかわらず、私は病み上がりの身体で数時間の運動をしてしまった。体調回復がうれしくなってソフトボールをやった。そこで更に圧や摩擦がかかってしまったものと思われ、その日から外痔核を余計にイキがらせることになってしまった。

内痔核なら知った仲だが、外痔核は一見さんだ。痛みもあり普通に生活に支障があったので、翌々日に肛門科へ向かった。

すると、本日休診の字。成人の日で休みだった。痔は即日急診を求めていたのだが、致し方なく近くの麺処 雁木(すこぶるうまいラーメン屋)で麺を食べた。

ちょっと雁木の話をしよう。やっぱやめとこう。雁木にいわれのないイメージをつけてしまう恐れがある。とりあえず、京都に雁木といううまいラーメン屋がある。いつみても髪色が派手で顔は森友哉系統の店主がやっている。音楽が好きらしい。いつも期間限定のラーメンを作っていて日がわりのバリエーションがすごい、とだけ言っておこう。ブログをやっておられるので勝手にはる。https://ameblo.jp/mendokoro-gangi/ 限定ラーメンの更新情報とか食べなくてもおもしろい

話を戻そう。肛門の話だ。

休診のまた翌日、朝起きて行こうと思ったが、朝に弱く準備ができたのが受付ギリギリの時間だったのでやめた。いくだけいくというのは痔主にとってリスキー。自転車に乗ること自体リスキー。日を改めて確実に攻め落としたいと思った。ちなみに近場の肛門科の受付がどこも午前で切り上げるのはなぜですか? 肛門弱者に午後診療を。

そして今日。朝から行って診察を受けてきた。2時間待った。なんだか今日は特別混んでいたみたいだった。受付の人が「今日はなんでか混んでるんですよねえ」って話を来る人来る人に繰りかえしてた。有情な席にあぶれて、固いパイプ椅子しか座るところがなかった。こちら痔を治しにきてるのに。待ち時間が暇だったので飯か文庫本でも買いに行こうかと思ったけど、聞いたら受付したらもう出られないらしい。そういうことになってるらしかった。肛門弱者には人権もない。

これは完全に偏見なのですが、医者って基本的になんか”見て”なになにですねって言って終わるイメージがある。そういう勝手なイメージで肛門科でもケツ見てもらってお薬だしますねくらいのものだと思ってたけど、そうじゃなかった。

診察は短い会話をしたあと、すぐに台に寝かされた。そこで胎児みたいになってケツを見せるわけだけど、肛門科は並じゃない。混んでたからかめちゃくちゃ仕事が早くて、なんか知らないうちにケツにガッと指をつっこまれた。「ん~これは内痔核もあるかなあ」みたいなことを言いながら触診する。世の中にはこんな世知辛い触診があるんだなと思った。患者は痛いし、きっと医者も。。。なんてやってると、お湯をケツに注入された。いわくトイレで気張ってこいとのこと。そのとおりに頑張ったけど、肛門がパニックなのか何も起きない。注入されたお湯がどっかいった。まあいいかとそしらぬ顔で戻ったら、中を見るためにグワッとケツ穴を広げられた。何をされたかわからないが、とりあえず痛かった。背を向けケツを差し出すということは、そういうことなんだなと学んだ。人は無力だ

中はとりあえず問題にしないらしかった。先生が鏡でもって私の患部を見せてくれた。とても汚らしいケツ毛の一帯に咲く、一輪のピンクダイヤモンド。私を培養したらピンクダイヤモンド工場ができるなと思った。めちゃきたないし最悪

台に寝る私に先生がやさしく病状を教えてくれた。座薬いれたら痛くなくなるから大丈夫、なんて言いながらグッと座薬を入れられた。いやいま入れるほうが先じゃなかったか? 手が口より動きすぎていないか? そう思ったけど覆水盆に返らないのと同じく、座薬も一度入った肛門からはもう帰ってこない。

その後、先生に対面で痔の原理についてご教授いただいた。説明がとてもこなれているのは良かったけど、メモ用紙に書く字もこなれすぎてて見返したところで判読できない。肛門科はエクストリームだなあと思った。

ラーメン屋の帰りに痔の軟膏をドラッグストアで買っていたのだけど、痔に関しては診てもらって薬をじかに処方してもらうのが丸い。診察と軟膏、座薬までもらって1850円だった。薬代だけとして見てもたぶん市販薬のほうが高い(効果もあやしい)。市販薬を買いたいレベルに痔でなやんでる人は肛門科にいったほうがよい、というのがケツ論。

いかずに済めばいいに決まっているが、いかねばならないときもある。

こと肛門科に関してはそうだと思った。

全国の痔主のみなさんも、ケツ断を迫られた日にはほじられる覚悟をもって肛門科にいったらよいと思います。

 

 

おわり